八十一年、服の裏側だけを作ってきました。
ブランドの名前を織り、値段を刷り、包む。
表に出るものは、ひとつもありません。

服には、かならず一枚のタグがある。
それが無い服は、世界に一着も存在しない。
誰も見ないところを、八十一年。
私たちは「SINCE 1961」と名乗ってきました。けれど、社史の最初の一行は、こう書かれています——「昭和二十年九月、印刷デザイン企画業創立」。終戦の、翌月です。
織ネームの番手を決める。インクの濃度を合わせる。箔の温度を測る。工程のすべてを、自社の機械で持っています。京都で決めて、アジア四カ国の自社工場で刷る。
あなたのクローゼットの中に、私たちの刷ったものが、おそらく何枚か入っています。
四つの工場の生産能力を、八十一年間、一度も足し算したことがありませんでした。合算すると、日本人ひとりあたり、年に十五枚になります。